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『KAGEROU』(齋藤智裕/ポプラ社) [現代小説]

何かと話題の本作。

気になるところは多々あるけれど、酷評するほどのものでもないだろうとは思う。
(ただし、はっきり言えるのは、大賞受賞レベルではない。佳作とか奨励賞とかは、賞によってはありえるかもしれないが)
やりだまに挙げられている親父ギャグだって意味はあるし。


初版だけとか言われている、最後の訂正シールの部分。
あれを編集がゲラの段階で気付かないってのはおかしい。
意図的にやったでしょ、これ。
それなら、「訂正シール」なんて言い方しなければ良かったのにとは思う。

とりあえず、誰が書いたとか関係なく、作品読んで、どうだったか判断すれば良いと思うのだけれども。

と、中身の話は基本なしの方向で。


KAGEROU

KAGEROU

  • 作者: 齋藤 智裕
  • 出版社/メーカー: ポプラ社
  • 発売日: 2010/12/15
  • メディア: 単行本



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『はい、こちら探偵部です2』(似鳥航一/電撃文庫) [国内エンタメ]

文体が肌に合わないの分かっていたけれども読んでみた。

1巻の時から通して思うのは、探偵部だったり、全国探偵大会とか、いくつか面白そうなネタあるのに、なんでこういう書き方するんだろうと。
(一般的? なライトノベル読者には、むしろこういう書き方の方が違和感なかったり喜ばれるのかなとは思いましたが、よくわかりませぬ)

ただ、今作収録第四話の、とあるネタというか伏線は、こういう書き方だからこそ違和感なく溶け込んでいるわけで、それには素直に感心しました。
まぁ、そこで、おっ、と思った後の予想外の展開に、いや、これはないだろうとも思いましたが……。



はい、こちら探偵部です(2) (電撃文庫)

はい、こちら探偵部です(2) (電撃文庫)

  • 作者: 似鳥 航一
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2010/12/10
  • メディア: 文庫



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『月見月理解の探偵殺人4』(明月千里/GA文庫) [国内エンタメ]

行方不明者の噂のあるコミュニテイ『黒の箱庭』。
妹の遥香を追い、ゲームに参加する初たちだったが、そこは、《グラウンド・ゼロ》の仕掛けた殺戮の宴だった!

「兄貴は、ほんとは私のことなんか嫌いだよね?」
その《探偵殺人ゲーム》に勝てば、全てが叶う……。《探偵殺人ゲーム》のコミュニティ『黒の箱庭』。そこは、勝つと願いが叶う、と言われている一方、参加者に行方不明者が出ているという噂があった……。
そんな『黒の箱庭』に初の妹、遥香が興味を見せているという。遥香を心配する初だったが、その『黒の箱庭』の創始者こそが、月見月家に因縁のある《グラウンド・ゼロ》だった! さらに交喙の追う《ドッペルゲンガー》も関わっているという。
遥香を追い、ゲームに参加する初、それぞれの思惑が交錯する中、《探偵殺人ゲーム》は幕を開ける!


2巻以来のデスゲーム。
今回は、第1巻から話題には出ていた「探偵殺人ゲーム」。
2巻同様、ルール理解するのに、ちょっと時間かかったのは御愛嬌。

今作は予想外の遥香回。
なんというか、一番、そこに驚いた。

はてさて、次回どうなるのか。


月見月理解の探偵殺人 4 (GA文庫)

月見月理解の探偵殺人 4 (GA文庫)

  • 作者: 明月 千里
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2010/12/16
  • メディア: 文庫



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『舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵』(歌野晶午/カッパノベルス) [国内ミステリ]

というわけで、「舞田ひとみ」シリーズ第二弾。
作中の時間は一作目から3年ほど過ぎ、ひとみも小学生から14歳の中学生へ。

本作では、作中の視点は、前作の歳三から、ひとみの小学校時代の同級生・高梨愛美璃へと移る。

募金詐欺や、学内でおきた盗難事件や、果ては誘拐事件まで、高梨のまわりでおきた事件に、ひとみが首をつっこんで……。
今作も、順番通りの読んだ方が吉。
順番通りに読んでおかないと、これ誰? ということもあるので。

前作では、ひとみは事件に直接は関係なく、ひとみの一言などから、歳三が事件の真相に辿りつくスタイルでしたが、今回は、ひとみが事件に首を突っ込みます。
前作からいろんな意味で成長したひとみが見られるわけですが、口調というかノリは変わっておらず(もちろん、そこも成長はしていますが)、一安心。

ところで、裏のあらすじに「さわやかに登場!」とあるけど、(よくよく考えると)要所要所えぐいよなぁ、この作品……。



舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵 (カッパ・ノベルス)

舞田ひとみ14歳、放課後ときどき探偵 (カッパ・ノベルス)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/10/20
  • メディア: 新書


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『舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵』(歌野晶午/光文社文庫) [国内ミステリ]

続編の方を先に買い、読もうとした瞬間に、これシリーズ物で、しかも2作目か! と気付くという阿呆なことをしてしまいました。
というわけで、シリーズ1作目。シリーズ名は「舞田ひとみ」シリーズで良いのかな。

11歳の小学生、舞田ひとみと、ひとみの叔父であり警官の歳三がメインで進んでいく連絡短編集。
短編の順番は作品内の時系列に合わせてあるので、ちゃんと順番に読んでいった方が吉。
「いいおじさん、わるいおじさん」と「いいおじさん? わるいおじさん?」のような構成は面白いなぁと。

それと、タイトルの先入観から、てっきり小学生が事件に首つっこんで謎を解こうとするといった感じの内容なのかなぁと思ったので、ひとみの何気ない一言(だったり話題)をきっかけに、歳三が事件の真相に辿りつくという形式をとっていてちょっと驚き。


舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 (光文社文庫)

舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵 (光文社文庫)

  • 作者: 歌野 晶午
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2010/07/08
  • メディア: 文庫



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『放課後探偵団』(相沢沙呼・梓崎優ほか/創元推理文庫) [国内ミステリ]

鮎川哲也賞もしくはミステリーズ!新人賞関係の作家、簡単に言えば創元デビュー組の5人の手による書き下ろし短編学園アンソロジー。

もともとは似鳥鶏さんの新作を読みたいがために買ったのですが、なかなかどうして、他の4名の作品もかなり面白い!
好きな作家が参加しているアンソロジーを読む時の醍醐味のひとつは、知らない作家と出会える場だと常々言っているのですが、今回も、それを堪能できました。

作品によっては、トリック(もしくはネタ)が途中で予想可能なものはあるものの、その料理の仕方や、展開のさせ方にそれぞれの味が出ているようで、そういうふうに話をもっていったかと、感心しきり。

どの作品も良かったのだけれども、個人的に、梓崎さんの「スプリング・ハズ・カム」には、真底驚いた。
読んでいて違和感だけは覚えていたのだけれども、真相が明かされて、そういうことか、と読了後、最初から読み返してしまったし。
梓崎さんの『叫びと祈り』は、今年のミステリランキングでも上位を獲得しそうだし(現段階で、文春のでは2位)、読んでおこうかなと思っていた作家ではありましたが、『叫びと祈り』も早めに読んでおいた方が良いなと思わせる作品でした。


収録されている1本目の似鳥さんの作品読んだ時は、葉山君の妹、良いキャラしてるなぁとか思っていたのになぁ……。


放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)

放課後探偵団 (書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー) (創元推理文庫)

  • 作者: 相沢 沙呼
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/11/27
  • メディア: 文庫


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11月読了本・漫画 [その他]

「月刊コミック電撃大王」での連載開始が2002年。同誌連載終了が2005年。雑誌を移籍しての再開が2008年。
そして、足かけ8年で、とうとう『隻眼獣ミツヨシ』も完結。
この期間中に『RD 潜脳調査室』のキャラデザのお仕事もなさっていたようで。
次回作も楽しみにしながら待っていることにします。

ミツヨシ完結編 (下) (ミツヨシ完結編) (愛蔵版コミックス)

ミツヨシ完結編 (下) (ミツヨシ完結編) (愛蔵版コミックス)

  • 作者: 上山 徹郎
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2010/11/19
  • メディア: コミック




平安ブレイズ 3 (ヤングキングコミックス)

平安ブレイズ 3 (ヤングキングコミックス)

  • 作者: 緒方 てい
  • 出版社/メーカー: 少年画報社
  • 発売日: 2010/10/30
  • メディア: コミック




蹴球少女(3) (アフタヌーンKC)

蹴球少女(3) (アフタヌーンKC)

  • 作者: 若宮 弘明
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/11/05
  • メディア: コミック



世紀末オカルト学院 (MFコミックス アライブシリーズ)

世紀末オカルト学院 (MFコミックス アライブシリーズ)

  • 作者: 戸流 ケイ
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2010/11/22
  • メディア: コミック



世紀末オカルト学院Plus (MFコミックス アライブシリーズ)

世紀末オカルト学院Plus (MFコミックス アライブシリーズ)

  • 作者: 森見 明日
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2010/11/22
  • メディア: コミック



新装版 JUDAS (3) (角川コミックス・エース 126-25)

新装版 JUDAS (3) (角川コミックス・エース 126-25)

  • 作者: 水無月 すう
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2010/11/26
  • メディア: コミック



湖岸の盲点~小此木鶯太郎の事件簿~ 問題編 (ガンガンコミックスONLINE)

湖岸の盲点~小此木鶯太郎の事件簿~ 問題編 (ガンガンコミックスONLINE)

  • 作者: 小野堂 天乃介
  • 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
  • 発売日: 2010/11/22
  • メディア: コミック



DVD付き Kiss×sis 7巻 限定版

DVD付き Kiss×sis 7巻 限定版

  • 作者: ぢたま 某
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/11
  • メディア: コミック



魔法先生ネギま!(32) (少年マガジンコミックス)

魔法先生ネギま!(32) (少年マガジンコミックス)

  • 作者: 赤松 健
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/11/17
  • メディア: コミック



ルリアーにゃ!!(3) (シリウスコミックス)

ルリアーにゃ!!(3) (シリウスコミックス)

  • 作者: いちい 達成
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/08/09
  • メディア: コミック


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『ジョナさん』(片川優子/講談社文庫) [現代小説]

『佐藤さん』で講談社児童文学新人賞を受賞した片川優子さんの2作目。

毎週日曜、死んだおじいちゃんの愛犬と公園へ行く。これが高校2年、チャコの習慣だ。しかしのどかな風景とは裏腹に頭の中は悩みでいっぱい。大学受験、親友との大喧嘩、そしてバラバラな家族。青春まっただ中って感じだけど当人は息苦しいことこの上ない。そしてさらにチャコは出逢ってしまう――恋に。(講談社公式サイトより)


片川さんが『佐藤さん』を書いたのは中学3年生の時(受賞作刊行が高校1年の時だったかな)で、この『ジョナさん』が高校2年生の時。
デビューから結構経っているのに、まだ現役の大学生っていうのにいつも驚かされる……。

恋、進路、友情、家族といったような、高校2年生の主人公・チャコが抱える悩みが描かれている。
最初のうちは、恋の悩みだけを描いた恋愛小説なのかなと思ったら、そんなことはなく、先に書いたように、高校2年生の子が抱えていたもおかしくないような、さまざまな悩み、そして、それに対する葛藤が丁寧に描かれていて好感触。
著者と作中の主人公が同年齢だからこそ描けたのであろう部分(心情)もあれば、本当に高校2年生が描いたのかと驚かせる部分もあり、デビュー作の『佐藤さん』より断然うまくなっていると実感できる一冊。

Web連載していた『クロワッサン』が、この『ジョナさん』の続編だったことを解説読んで、今さらながらに知る……。


ジョナさん (講談社文庫)

ジョナさん (講談社文庫)

  • 作者: 片川 優子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/10/15
  • メディア: 文庫


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『ゴーストハント1 旧校舎怪談』(小野不由美/メディアファクトリー) [国内エンタメ]

親本である『悪霊がいっぱい!?』から21年。

2001年の段階で、復刊するという話(当時の『IN☆POCKET』参照)があったものの、結局それも動かないまま9年が過ぎ、版元を変え、全編リライトでメディアファクトリーから待望の復刊!!

取り壊すと必ず事故が起きると噂されている木造の旧校舎。高校1年生の麻衣はひょんなことから、調査に訪れた<渋谷サイキックリサーチ・SPR> 所長のナルの手伝いをするはめに。そこで彼女を待っていたのは、個性溢れる4人の霊能力者たちと、身も凍るような怪奇現象だった。旧校舎に巣くっているのは戦没者の霊か、それとも―?


この作品(シリーズ)が好きすぎて、多少盲目的になっているところもありますが、やはり面白い。
ホラー小説苦手な人でも、この作品は読めるはず。
ただし、『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』あたりになると、きついかもしれないけれど……(『鮮血の迷宮』をどの程度リライトするのかわからんので、予想ですが)。


親本を10年前に読んでいるのですが、久々に読んで思うのは、シリーズを通してのとあることに関する伏線のはり方が、非常にうまい。
シリーズ全作読了後に、この1巻を読むと、これも伏線だったのか、と感嘆するはずです。

それと、親本を読んでいる人ならば、リライト部分がある程度わかるはずです。
親本ではなかった(はず)、とあるアイテムをナルが使っていて、時代の流れを感じてしまいました。
確かに、その辺はリライトしないと違和感覚える読者がいるかもしれませんね、と思った次第。

ちなみに、数年前に、池袋の古本屋で親本のセットを見つけたことがあったのですが、7タイトル全8冊で、36000円で売ってました。


『ゴーストハント2 人形の檻』は来年1月発売予定。


ゴーストハント①旧校舎怪談 (幽BOOKS)

ゴーストハント①旧校舎怪談 (幽BOOKS)

  • 作者: 小野不由美
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2010/11/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


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『聯愁殺』(西澤保彦/中公文庫) [国内ミステリ]

大晦日の夜。連続無差別殺人事件の唯一の生存者、梢絵を囲んで推理集団“恋謎会”の面々が集まった。四年前、彼女はなぜ襲われたのか。犯人は今どこにいるのか。ミステリ作家や元刑事などのメンバーが、さまざまな推理を繰り広げるが…。


手がかりをもとに、さまざまなメンバーによって推理が行われ、真相に迫る。
いわゆる毒チョコものというか、西澤さんの他作品にもいくつかある系統の作品なわけですが。

う~ん。
この作品の良さを書こうとすると、ネタバレしないと無理なんじゃないか。
基本的な読解に関しては、氷川透さんの解説のネタバレありのところを参照していただければ良いので、読了後、そちらをお読みください。


とは言え、少しメモ書きの意味合いも込めて書いておくと。

・メタミステリとしてのひとつの実現方法がこれだったのか、と思わせてくれる。
・そのメタミス的な読み方をしたときに、作中にではなく、読者が認識していたこの作品のとある部分ががらっと変わる。叙述トリック的な意味合いではなく。
・けれど、そんな難しい(?)読み方をしなくとも、最後にある種の驚きは用意されているので、それはそれで十分楽しめる。


読む前に、地味な作品なんじゃないかと思っていた自分、恥ずかしい。


聯愁殺 (中公文庫)

聯愁殺 (中公文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/09/22
  • メディア: 文庫


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