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『ジョナさん』(片川優子/講談社文庫) [現代小説]

『佐藤さん』で講談社児童文学新人賞を受賞した片川優子さんの2作目。

毎週日曜、死んだおじいちゃんの愛犬と公園へ行く。これが高校2年、チャコの習慣だ。しかしのどかな風景とは裏腹に頭の中は悩みでいっぱい。大学受験、親友との大喧嘩、そしてバラバラな家族。青春まっただ中って感じだけど当人は息苦しいことこの上ない。そしてさらにチャコは出逢ってしまう――恋に。(講談社公式サイトより)


片川さんが『佐藤さん』を書いたのは中学3年生の時(受賞作刊行が高校1年の時だったかな)で、この『ジョナさん』が高校2年生の時。
デビューから結構経っているのに、まだ現役の大学生っていうのにいつも驚かされる……。

恋、進路、友情、家族といったような、高校2年生の主人公・チャコが抱える悩みが描かれている。
最初のうちは、恋の悩みだけを描いた恋愛小説なのかなと思ったら、そんなことはなく、先に書いたように、高校2年生の子が抱えていたもおかしくないような、さまざまな悩み、そして、それに対する葛藤が丁寧に描かれていて好感触。
著者と作中の主人公が同年齢だからこそ描けたのであろう部分(心情)もあれば、本当に高校2年生が描いたのかと驚かせる部分もあり、デビュー作の『佐藤さん』より断然うまくなっていると実感できる一冊。

Web連載していた『クロワッサン』が、この『ジョナさん』の続編だったことを解説読んで、今さらながらに知る……。


ジョナさん (講談社文庫)

ジョナさん (講談社文庫)

  • 作者: 片川 優子
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/10/15
  • メディア: 文庫


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