『ゴーストハント2 人形の檻』(小野不由美/メディアファクトリー) [国内エンタメ]
全編リライトでの復刊第二弾。
今回は、1巻以上に怖い。
内容が内容なんで、怖いのは当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、1巻の展開で、これなら大丈夫と思って、かまえずにいた人が読むと、えっ! 怖っ! となるはず。
(1巻の感想にも書いたけれど、親本読んだ時は、個人的には『鮮血の迷宮』が一番怖かった)
今作でも、伏線探しながらの読み。
こんなところにも伏線が、と、小野さんの伏線のはり方に感服しつつ。
初読なら、中盤あたりでわかる事実で、最初の方の礼美とミニーの会話の意味(というか状況か?)にぞくっとするのかなぁと思ったり。
初読の時、怖かった記憶があるし。
瀟洒な洋館に住む一家を襲うポルターガイスト現象。騒々しい物音、移動する家具、火を噴くコンロ。頻発する怪しい出来事の正体は地霊の仕業か、はたまた地縛霊か―。家族が疑心暗鬼に陥る中、依頼者の姪・礼美が語る「悪い魔女」とは? ナルとともにSPRの一員として屋敷に赴いた麻衣は、礼美と彼女が大切にしている人形との会話を耳にする。―リライトを経て、恐怖を増した第2弾。
今回は、1巻以上に怖い。
内容が内容なんで、怖いのは当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、1巻の展開で、これなら大丈夫と思って、かまえずにいた人が読むと、えっ! 怖っ! となるはず。
(1巻の感想にも書いたけれど、親本読んだ時は、個人的には『鮮血の迷宮』が一番怖かった)
今作でも、伏線探しながらの読み。
こんなところにも伏線が、と、小野さんの伏線のはり方に感服しつつ。
初読なら、中盤あたりでわかる事実で、最初の方の礼美とミニーの会話の意味(というか状況か?)にぞくっとするのかなぁと思ったり。
初読の時、怖かった記憶があるし。
『はい、こちら探偵部です2』(似鳥航一/電撃文庫) [国内エンタメ]
文体が肌に合わないの分かっていたけれども読んでみた。
1巻の時から通して思うのは、探偵部だったり、全国探偵大会とか、いくつか面白そうなネタあるのに、なんでこういう書き方するんだろうと。
(一般的? なライトノベル読者には、むしろこういう書き方の方が違和感なかったり喜ばれるのかなとは思いましたが、よくわかりませぬ)
ただ、今作収録第四話の、とあるネタというか伏線は、こういう書き方だからこそ違和感なく溶け込んでいるわけで、それには素直に感心しました。
まぁ、そこで、おっ、と思った後の予想外の展開に、いや、これはないだろうとも思いましたが……。
1巻の時から通して思うのは、探偵部だったり、全国探偵大会とか、いくつか面白そうなネタあるのに、なんでこういう書き方するんだろうと。
(一般的? なライトノベル読者には、むしろこういう書き方の方が違和感なかったり喜ばれるのかなとは思いましたが、よくわかりませぬ)
ただ、今作収録第四話の、とあるネタというか伏線は、こういう書き方だからこそ違和感なく溶け込んでいるわけで、それには素直に感心しました。
まぁ、そこで、おっ、と思った後の予想外の展開に、いや、これはないだろうとも思いましたが……。
『月見月理解の探偵殺人4』(明月千里/GA文庫) [国内エンタメ]
行方不明者の噂のあるコミュニテイ『黒の箱庭』。
妹の遥香を追い、ゲームに参加する初たちだったが、そこは、《グラウンド・ゼロ》の仕掛けた殺戮の宴だった!
「兄貴は、ほんとは私のことなんか嫌いだよね?」
その《探偵殺人ゲーム》に勝てば、全てが叶う……。《探偵殺人ゲーム》のコミュニティ『黒の箱庭』。そこは、勝つと願いが叶う、と言われている一方、参加者に行方不明者が出ているという噂があった……。
そんな『黒の箱庭』に初の妹、遥香が興味を見せているという。遥香を心配する初だったが、その『黒の箱庭』の創始者こそが、月見月家に因縁のある《グラウンド・ゼロ》だった! さらに交喙の追う《ドッペルゲンガー》も関わっているという。
遥香を追い、ゲームに参加する初、それぞれの思惑が交錯する中、《探偵殺人ゲーム》は幕を開ける!
2巻以来のデスゲーム。
今回は、第1巻から話題には出ていた「探偵殺人ゲーム」。
2巻同様、ルール理解するのに、ちょっと時間かかったのは御愛嬌。
今作は予想外の遥香回。
なんというか、一番、そこに驚いた。
はてさて、次回どうなるのか。
『ゴーストハント1 旧校舎怪談』(小野不由美/メディアファクトリー) [国内エンタメ]
親本である『悪霊がいっぱい!?』から21年。
2001年の段階で、復刊するという話(当時の『IN☆POCKET』参照)があったものの、結局それも動かないまま9年が過ぎ、版元を変え、全編リライトでメディアファクトリーから待望の復刊!!
この作品(シリーズ)が好きすぎて、多少盲目的になっているところもありますが、やはり面白い。
ホラー小説苦手な人でも、この作品は読めるはず。
ただし、『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』あたりになると、きついかもしれないけれど……(『鮮血の迷宮』をどの程度リライトするのかわからんので、予想ですが)。
親本を10年前に読んでいるのですが、久々に読んで思うのは、シリーズを通してのとあることに関する伏線のはり方が、非常にうまい。
シリーズ全作読了後に、この1巻を読むと、これも伏線だったのか、と感嘆するはずです。
それと、親本を読んでいる人ならば、リライト部分がある程度わかるはずです。
親本ではなかった(はず)、とあるアイテムをナルが使っていて、時代の流れを感じてしまいました。
確かに、その辺はリライトしないと違和感覚える読者がいるかもしれませんね、と思った次第。
ちなみに、数年前に、池袋の古本屋で親本のセットを見つけたことがあったのですが、7タイトル全8冊で、36000円で売ってました。
『ゴーストハント2 人形の檻』は来年1月発売予定。
2001年の段階で、復刊するという話(当時の『IN☆POCKET』参照)があったものの、結局それも動かないまま9年が過ぎ、版元を変え、全編リライトでメディアファクトリーから待望の復刊!!
取り壊すと必ず事故が起きると噂されている木造の旧校舎。高校1年生の麻衣はひょんなことから、調査に訪れた<渋谷サイキックリサーチ・SPR> 所長のナルの手伝いをするはめに。そこで彼女を待っていたのは、個性溢れる4人の霊能力者たちと、身も凍るような怪奇現象だった。旧校舎に巣くっているのは戦没者の霊か、それとも―?
この作品(シリーズ)が好きすぎて、多少盲目的になっているところもありますが、やはり面白い。
ホラー小説苦手な人でも、この作品は読めるはず。
ただし、『ゴーストハント5 鮮血の迷宮』あたりになると、きついかもしれないけれど……(『鮮血の迷宮』をどの程度リライトするのかわからんので、予想ですが)。
親本を10年前に読んでいるのですが、久々に読んで思うのは、シリーズを通してのとあることに関する伏線のはり方が、非常にうまい。
シリーズ全作読了後に、この1巻を読むと、これも伏線だったのか、と感嘆するはずです。
それと、親本を読んでいる人ならば、リライト部分がある程度わかるはずです。
親本ではなかった(はず)、とあるアイテムをナルが使っていて、時代の流れを感じてしまいました。
確かに、その辺はリライトしないと違和感覚える読者がいるかもしれませんね、と思った次第。
ちなみに、数年前に、池袋の古本屋で親本のセットを見つけたことがあったのですが、7タイトル全8冊で、36000円で売ってました。
『ゴーストハント2 人形の檻』は来年1月発売予定。
『バカが全裸でやってくる』(入間人間/メディアワークス文庫) [国内エンタメ]
初・入間人間。
正確には、別名義の作品読んでいるので、初ではないのですが……。
作家を目指す「僕」。
「僕」が、大学の新歓コンパに参加していると、そこに全裸の「バカ」が現れて……。
来年から、いろいろなメディアミックス展開がされるし、と思って、とりあえずシリーズ外の本作を読んでみました。
読了後、あぁ、なるほどとは思ったものの……。
連載中の漫画版『みーまー』は読んでいて、そちらの突飛な設定は、面白いのかもと思わせてくれるけれど、それに比較するとこの作品は若干インパクトが弱く感じる。
とはいえ、出てくる登場人物のほとんどは奇人変人ばかりなので、本来ならこれだけでも十分インパクトあるはずなのですが。
読むまで、西尾維新の二番煎じかと思っていたけれども、とりあえず、そうではないと感じられたので、それを知れたのは収穫か。
正確には、別名義の作品読んでいるので、初ではないのですが……。
作家を目指す「僕」。
「僕」が、大学の新歓コンパに参加していると、そこに全裸の「バカ」が現れて……。
来年から、いろいろなメディアミックス展開がされるし、と思って、とりあえずシリーズ外の本作を読んでみました。
読了後、あぁ、なるほどとは思ったものの……。
連載中の漫画版『みーまー』は読んでいて、そちらの突飛な設定は、面白いのかもと思わせてくれるけれど、それに比較するとこの作品は若干インパクトが弱く感じる。
とはいえ、出てくる登場人物のほとんどは奇人変人ばかりなので、本来ならこれだけでも十分インパクトあるはずなのですが。
読むまで、西尾維新の二番煎じかと思っていたけれども、とりあえず、そうではないと感じられたので、それを知れたのは収穫か。
『子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき』(玩具堂/角川スニーカー文庫) [国内エンタメ]
第15回スニーカー大賞《大賞》受賞作。
スニーカー文庫買ったの何年ぶりだろう……。
『氷菓』とか『愚者のエンドロール』とか『匣庭の偶殺魔』を買って以来な気がする。
生徒会によって立ちあげられた、生徒の悩みを解決する相談会『迷わない子ひつじの会』。
そこに持ち込まれるさまざまな相談ごと。
生徒会書記の成田真一郎は、相談会の行われる第三会議室の隣にある資料室で幽霊文芸部員の仙波明希と遭遇する。
相談会の面々だけでは解決できなかった問題を解決する仙波ではあったが、それを聞いた成田のとった行動は……。
作中出てくる相談ごとは、ラブレターの差出人は誰? とか、誹謗中傷の書き込みをしているのは誰? と言ったように、そこまでどぎつい内容でもなく、生徒会への相談ごととしては妥当(?)な内容。
日常の謎という感じでもないけれども、高校が舞台の謎としては、良い感じなんじゃないかと思う(ぬるいと思う人もいるだろうけど)。
謎を解いて終わり、ではなく、もう一段階あるのも好感触。
書く方は大変でしょうが(「ダ・ヴィンチ」のインタビュー記事にも書いてあったことですが……)。
スニーカー文庫買ったの何年ぶりだろう……。
『氷菓』とか『愚者のエンドロール』とか『匣庭の偶殺魔』を買って以来な気がする。
生徒会によって立ちあげられた、生徒の悩みを解決する相談会『迷わない子ひつじの会』。
そこに持ち込まれるさまざまな相談ごと。
生徒会書記の成田真一郎は、相談会の行われる第三会議室の隣にある資料室で幽霊文芸部員の仙波明希と遭遇する。
相談会の面々だけでは解決できなかった問題を解決する仙波ではあったが、それを聞いた成田のとった行動は……。
作中出てくる相談ごとは、ラブレターの差出人は誰? とか、誹謗中傷の書き込みをしているのは誰? と言ったように、そこまでどぎつい内容でもなく、生徒会への相談ごととしては妥当(?)な内容。
日常の謎という感じでもないけれども、高校が舞台の謎としては、良い感じなんじゃないかと思う(ぬるいと思う人もいるだろうけど)。
謎を解いて終わり、ではなく、もう一段階あるのも好感触。
書く方は大変でしょうが(「ダ・ヴィンチ」のインタビュー記事にも書いてあったことですが……)。
子ひつじは迷わない 走るひつじが1ぴき (角川スニーカー文庫)
- 作者: 玩具堂
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2010/10/30
- メディア: 文庫
『二年四組交換日記 腐ったリンゴはくさらない』(朝田雅康/集英社スーパーダッシュ文庫) [国内エンタメ]
第九回スーパーダッシュ小説新人賞佳作受賞作。
問題児ばかり集められた二年四組。
委員長の提案により、交換日記が行われることになる。
本書は、その交換日記の形式で物語が展開していく。
ひとつの物語としての要素以外に、この交換日記をもとに、異名が書かれた登場人物表に本名を埋めて行くというパズル小説的要素も。
物語中盤あたりで、だいたいの本名は埋まり、そのあたりから物語も大きく動きだすので、タイミングとしては良いのだろうけれど、このパズル小説要素が大きく謳われていたので、てっきりラストまで読まないと、本名すべてが埋まらないとばかり思っていて、ちょっと肩すかしを食らった感はある。
問題児ばかり集められた二年四組。
委員長の提案により、交換日記が行われることになる。
本書は、その交換日記の形式で物語が展開していく。
ひとつの物語としての要素以外に、この交換日記をもとに、異名が書かれた登場人物表に本名を埋めて行くというパズル小説的要素も。
物語中盤あたりで、だいたいの本名は埋まり、そのあたりから物語も大きく動きだすので、タイミングとしては良いのだろうけれど、このパズル小説要素が大きく謳われていたので、てっきりラストまで読まないと、本名すべてが埋まらないとばかり思っていて、ちょっと肩すかしを食らった感はある。
二年四組 交換日記 腐ったリンゴはくさらない (集英社スーパーダッシュ文庫)
- 作者: 朝田 雅康
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/10/22
- メディア: 文庫